高齢者が水分を取らない!?水分補給の工夫と水分拒否の原因を解説!
毎年夏になると頻発するのが、高齢者による熱中症などの死亡事例…
熱中症などの原因になるのが、体の水分が失われる脱水症状です。
体から水分が過剰に失われ、かつおぎなわれない場合、体の機能が正常に機能しなくなる状態になり、やがてそれが熱中症などにつながってしまうのです。
でも、高齢者ってどれだけ言っても、水分をとってくれませんよね…
一日でこれだけ飲んでほしい!という量を提示しても、半分も飲んでいなかったりということがよくあります。
とはいえ、水分の摂取は命に関わること。
高齢者だからと諦めず、理由と原因を理解して、きちんと対策をしましょう!
高齢者が水分を取らない原因や拒否する理由を理解しよう!
高齢者が一日に摂取してほしい水分量は、1日1ℓから1.5ℓほど。
しかし、これらを全て一日で飲んでくれることはなかなかありません。
どうして高齢者は水を取らないのか?
その理由はさまざまです。
・喉が渇いたと感じる機能が低下している
・トイレが近くなってしまうという不安
・認知症などの症状により、飲むことを忘れてしまう
・嚥下能力の低下
より多くみられる理由がこの四点です。
この理由に加え、高齢者は筋肉の量がへることにより、体内に留めておける水分量も減ってしまっているので、汗をかいてしまうと、体内の水分量がどっと失われてしまうのです。
高齢者が水分を取らないときの対策と工夫!
では、どのようにして高齢者に水分を取らせるように対策すればいいのでしょうか。
こまめに声をかける
喉の渇きに気づきにくくなっている高齢者のために、頻繁に水を飲むよう声をかけましょう。
トイレへの不安を解消してあげる
高齢者の方にとって、トイレに行く、ということはなかなかに大変なことです。
出先でトイレが見つからなかったら…
もし間に合わず失敗したら…
高齢者のトイレに対するストレスは計り知れません。
このストレスを緩和してあげることが、高齢者に水分をとってもらうことの大事なステップです。
自宅の場合は「いつでもトイレ行けるから」と声をかけ、外出先の場合はトイレの場所をきちんと把握して、「トイレあそこにあるからね」と声をかけたり、なるべく多くトイレへ誘ってあげるようにしましょう。
介護が必要な方は、リハビリパンツなどで対策をとるのもオススメです。
どれだけ摂取してほしいか、なぜ摂取してほしいか、を明確にする
高齢者がいつも使用しているコップの容量を測り、一日辺りどれだけ飲んでいるのか記録しましょう。
これにより、必要な摂取量が分かります。
必要な摂取量が明確になったら、次は一日に摂取してほしい水分量を明確に高齢者に提示しましょう。
一日分の必要摂取量が入った水筒やペットボトルを用意して、「午前までにここまで飲もうね」「寝るまでにここまで飲んでね」と、目安をつけて分かりやすく摂取量を伝えると、高齢者にも分かりやすいのでおすすめです。
また、やみくもに「水を飲んで!」というだけでは高齢者も何がなんだかわかりません。
「今日は外に出て体を動かすから、あらかじめこれだけ飲んで供えておこう」
「今夜も熱帯夜で寝てる間に汗をかくから、寝るまでにこれだけ水分を補給しておいたほうがいいよ」
などなど、
なぜ、なんのためにこれだけの量飲むべきなのか、きちんと説明をしてあげましょう。
本人の好みのものを飲ませてあげる
水分補給には水やお茶、スポーツドリンクが理想的ですが、
それに拘っていると飲んでくれないことも…
お茶や水にこだわらず、高齢者がすすんで飲みたいと手を伸ばすものを飲ませてあげましょう。
水以外にも、果物やゼリー、かき氷、お味噌汁など、水分を摂取する方法はたくさんあります。高齢者の好みにあったものを探してあげてください。
※ただし、コーヒーなどのカフェインを含むのみものは利尿作用があり、脱水を助長するおそれがありますので避けましょう。
まとめ
子供や若者でも夏場は脱水になりがちです。
高齢者はなおのこと、こちらがきちんと水分摂取に気をつけてあげなければいけません。
きつく無理強いをするのではなく、高齢者の方がなぜ飲まないのかをきちんと理解して、「おいしい」と言いながらすすんで飲んでくれるように寄り沿って手伝ってあげましょう。
また、普段よりも摂取量が異常に少ないと感じた場合は、脱水症状からくる嚥下障害の可能性があります。
非常に危険な状態ですので、異常を感じた際は必ず医療機関に相談するようにしてください。