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打ち水の歴史を調査!実は神道としての習わしだった!?

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早朝や夕暮れ時などに、地面に水をまくことによって凉を得る打ち水。

涼しいだけでなく、自然にも優しいとっても素敵な暑さ対策です。



ところでこの打ち水、一体いつ頃から始まった文化なのか、ご存知ですか?

昔の漫画や映画、それに写真や映像などでも見ることのある打ち水。

その歴史を調べてみました!


 
打ち水の歴史は江戸時代から!

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先ほど「昔の写真でも見る」と記述しましたが、実際、どれくらい昔のものがあるかというと、以前SNS上で話題になった、女性が打ち水をしている姿を捉えた、とても魅力的な写真がありました。

 

その写真の撮影時期が昭和26年くらいということですので、これより以前から打ち水の文化はあったことがわかります。

 

では、打ち水は昭和頃に始まったのでしょうか?

いえいえ、もっと古いんです!


さらに調べてみると、「東都名所尽 愛宕山遠望図」という絵を見つけました。

これは、溪斎英泉という絵師が、1830~1840年頃に描いた浮世絵です。

 

愛宕山の店先を描いた風景の中に、打ち水をしている商人の姿が描かれています。

1830年頃といえば天保期、江戸時代ですね。


さらに、江戸時代には打ち水を取り上げた俳句もいくつかあり、1811年頃には、「打水を礼に軒端の金魚売」(作者不明)という句が詠まれています。

 

つまり、江戸時代後期頃には打ち水という文化が存在していたことがわかります。

 

起源は?

打ち水の起源はまだはっきりしたことがわかっておらず、諸説あるのが現状です。
神道の慣わしが起源という説や、茶道の作法が起源という説などなど…


打ち水の起源はまだまだ研究途中ですが、打ち水という文化が庶民に根付いたのは「江戸後期」、というのは間違いないようです。

 

 想像していたよりずーっと日本人の生活のそばにあったんですね。

 

打ち水の歴史からみえてくる「日本の文化」

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打ち水が庶民の文化として根付く前、起源はいくつかの説がある、とのことですが、どのような説なのかをご紹介いたします。


まず、「神道の慣わし」説ですが、本来、神道において、水というものは清めの力があるものとしてみられています。

 

なので昔では、神社という聖域に入るためには川などで身を清める必要があったそうです。

現代でも、神社にお参りをするときはお手水舎で手を洗い、口をそそいだりしますね。
あれは「神社に入る為に身を清める」行為が時を経て変化した形なんです。


そんな清めの力がある水を、朝一番に神社の参道などにまくことにより、邪や穢れを払い、神聖である神社の境内や、お参りに訪れる人を守っていた…
というのが、「神社の慣わし」説です。



次に、「茶道の作法」説をご紹介します。

 

茶道では、お客様をお迎えする準備が整った際に打ち水をする作法があります。

お客様の通る門前などに水をまくことにより、埃が立たないようにし、お客様に気持ちよく入っていただける、という心遣いです。


これが、「茶道の作法」説です。



このふたつの説、共通する部分があることにお気づきでしょうか?
そう、どちらも「お客様をお迎えするために打ち水をする」んです!


起源として時期やきっかけは違えど、打ち水の魂は同じ…!という感じでしょうか…
(※神道の打ち水が、やがて茶道に取り入れられることにより、庶民へ浸透した、という説もあるようです)


涼しさを得る為の暑さ対策のイメージが強い打ち水ですが、お客様が気持ちよく訪れることができるように、埃を抑えて、体感的にも視覚的にも凉を得ていただく、という、

日本人らしい、おもてなしの心が文化として根付いていくきっかけだったのかもしれません。

 

 

まとめ

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いかがだったでしょうか?
地面に水をまくだけで、涼しくなることのできる打ち水。

起源は曖昧でしたが、江戸時代より愛されてきた知恵であり、おもてなしの心であるということがわかりました。


涼しくて見た目も素敵な打ち水。
なんと一度は廃れてしまったこともあったとか。

最近では、その素晴らしさが見直され、打ち水を推進するイベントも多数行われています。


身体にも心にも、そして自然にも優しい打ち水。
大事に守っていきたいですね。

 

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